本物が持つ力

混雑覚悟で、国立新美術館で開催中のモネ展に行きました。
が、幸い思ったほどの混雑ではなく。

大回顧展と銘打っているだけあって、100点近い作品が一堂に会した展示は見応え充分。
20世紀以降の作家の作品も比較展示され、
彼らに影響を与えたモネの革新性についても焦点が当てられていました。

今回の展示作品の中で個人的に一番気に入ったのは、
朝霧のかかったセーヌ川を描いたものでした。

彩度の高い色は使わず、全体的に淡いトーンの画面なのですが、
霧の中に、見る者の意識をぐっと引き込むような絵。

"発する"というより、"引き込む"という言葉が似合うように思えました。

ちなみに、画集に印刷されたこの絵を見てみたのですが、
やはりそこには本物の持つパワーは再現されておらず。

当たり前の話ではありますが、
この時代にも、本物を生で見ないと分からないものがあることを再確認できました。