2006年11月12日
タイ滞在日記 6日目
FAT Festival 2日目。いよいよ、euphoriaの出演日。
本番2時間前に会場入りし、準備をする。
euphoriaが出演するのは、4つあるステージの中で一番大きい、Heaven Stage。
出演時間はあっという間にやってきて、僕らはステージに立ち、1曲目のflyの演
奏を始めた。
演奏していて、お客さんがどんどん集まってくるのがわかった。僕らが経験した
ことのない人数のオーディエンスが、みんな本当に真剣に僕らのステージを見て
くれているのを感じた。曲が終わってからのお客さんの拍手は、曲を重ねる毎に
大きくなっていった。
最後の曲の演奏前、Sigに事前に教え込まれていたタイ語の挨拶を交えながら、
CDの販売場所などをアナウンス。そして、"silent roar"を演奏した。
曲が完全に終わる前から、驚くほど大きな歓声や拍手を送ってくれるお客さん
たち。それをステージから見ていて、もの凄く心にぐっと来るものがあった。
>euphoria 演奏風景 1
>euphoria 演奏風景 2
>euphoria 演奏風景 3
演奏後、地元新聞社のインタビューを受け、そのままCD販売ブースへ。僕らが
そこに着く頃には既に長蛇の列ができていて、彼らが買ってくれたeuphoriaの
CDにサインをしていった。
お客さんは、英語やジェスチャーで、とても嬉しい感想を僕らに伝えてくれた。
持って来た300枚のCDが売り切れた後に僕らのCDを探し求めて来てくれた人た
ちには、すごく申し訳ない思いだった。
彼らの語ってくれた感想は、ここに書くことが出来ないほどに大きなものとなっ
て、残っている。今回の経験と多くの人たちとの出会いは、今後、日本で、タイ
で、音楽をやる上で、とても大きな意味を持つであろう経験となった。
Luxi Recordsの神谷さん、Sigを始め、お世話になったスタッフの方たち、Fat
Radioのスタッフ、DJの方たち、今回言葉を交わした沢山のバンドの人たち、関
係者の方たち、そして何よりも、ライブを見て、CDを買ってくれたとても大勢
のお客さんに、心からお礼を言いたいと思います。
本当にありがとうございました。
Khop khun krap!
※写真は近々GALLERYページにも掲載しようと思っています。
ビデオも、編集作業が終わり次第アップします。
2006年11月11日
タイ滞在日記 5日目
FAT Festival 1日目。euphoriaの出演は明日だが、全体の雰囲気を見ておきた
いのと、ライブを見たいバンドがいたため、会場へ。そうとうな人数のお客さ
んが来ている。
euphoriaのCDはLuxi Recordsの物販ブースに置かせてもらったが、まだライ
ブをしていないのに、早くもeuphoriaのCDを買いに来てくれる人たちが驚く
ほど大勢いた。しかも今回、euphoriaのCDは日本で販売している物を持って
きたため、やむを得ず、タイのCDの標準価格よりも大幅に高い価格設定になっ
てしまっていた。感覚的には、アルバム1枚に6000円ぐらいの値段が付いてい
る感じだそうだ。それでもみんなが買っていってくれるので、申し訳ない気持
ちと嬉しい気持ちが入り交じった心境だった。
たくさんの人から「明日のライブを楽しみにしている」と声をかけてもらい、
本当に良い演奏をしよう、と思った。
夕食は、ホテル近くの大衆食堂で、トムヤムクンを始め、タイ料理各種。美味。
>夕食の様子(Luxi Records 神谷さん、Sigと)
2006年11月10日
タイ滞在日記 4日目
昼前にホテルをチェックアウトして、バンコク郊外のフェス会場近くにある次
のホテルに移動する。荷物だけ置いて、すぐにフェスのサウンドチェックへ。
会場のインパクト・アリーナは、今年出来たばかりの、幕張メッセのような巨
大展示場だ。話には聞いていたが、実際に到着するとその大きさに驚く。
そしてサウンドチェック開始。ここで、予期せぬ問題が発生した。いくつか問
題があったが、一番大きかったのは、森川が事前に頼んでいた種類のギターア
ンプが用意されていなかったことだった。どうにか借りられないか聞いてみた
が、そこにあるものを使ってくれということだった。
サウンドシステムも、決して良いとは言えない。ステージ上のモニター環境は、
低音が十分ではなく、木下はベースが聞こえないことを気にしていた。
ひとまずチェックを終え、すぐにバンコク市内に移動して、リハーサルスタジ
オに入った。本番前の、最後のリハーサル。フェスに向けて、色々と問題があ
る中でも細かいことを気にせず、ライブ全体をいいものにしよう、と話し合う。
夕食はタイスキ(そのレストランはたまたま、FAT Festivalのスポンサーの一
つだった)を食べて、ホテルに戻った。
2006年11月09日
タイ滞在日記 3日目
今日はどうやら、ラジオの収録があるらしい。深夜には、木下と事務所の浅田
さんが到着する予定だ。
昼前、Sigからホテルに着いたという電話があり、ロビーのフロアへ降りる。
すると、レセプションのお姉さん方が、「今さっきテレビに出てたでしょ?」
と声をかけてくる。どうやら、昼の芸能ニュースで昨日の様子が放送されてい
たらしい。MTVのほうはまだわかるが、なぜに芸能ニュース。よっぽど他にネ
タが無かったのかなーなどと思いつつ、なぜか一人ずつ記念撮影。かなり、非
日常な感じ。
さて昼食は、Sigオススメの大衆食堂で、チキンスープのタイラーメン。1杯目
は気を遣って辛くないスープを注文してくれたが、僕は辛い物が好きなので、
2杯目は通常の辛いスープにしてもらう。ものすごく美味しかった。
時間もなかったので早々と食事を済ませ(でも2杯食べたけど)、ラジオ局
(Fat Radio)へ。Sigの車で時間ぎりぎりに到着し、車を止めているとき、カ
ーステレオのラジオからタイ語で「euphoriaなんちゃらかんちゃら」と話して
いるのが聞こえる。すぐさま、Sigが言った。「このあとeuphoriaが登場しま
すって言ってるぜ!」。生放送なのかよ!とツッコミを入れつつ、色々と面白
くなってきた状態でスタジオに入った。
>Fat Radio 収録開始前の様子
番組DJの2人と対面し、簡単に挨拶した後、詳しい打ち合わせもないまま、収
録開始。日本語の通訳さんもいたが、その人はあまり日本語が得意ではなく、
結局番組内では、半分日本語、半分英語でしゃべった。euphoriaの曲をバッ
クに、作曲のインスピレーションは何か?とか、影響を受けた音楽は?とか、
フェス出演への意気込みとか、タイの印象とか、その他色々、雑談など。予
想よりも全然、終始リラックスしたムードで、無事終了。
その後、Sigに案内され、サヤームスクエア周辺を散策。彼は大学でミュージ
ックビジネスを教えているため、夕方、授業があるからと言ってしばらくいな
くなったが、それが終わるとすぐに戻ってきて、違う場所を案内してくれた。
彼の親切には、本当に頭が下がる。どこかへ連れて行ってくれた後も必ず、疲
れた顔ひとつ見せず、"What do you wanna do next?"と聞いてくるのだ。
この日は最後、チキンライスの美味しい店に行き夜食を食べて、ホテルに戻っ
た。しばらくして、木下と浅田さんが到着。
さあ、いよいよフェス、という気持ちになる。
2006年11月08日
タイ滞在日記 2日目
9時半起床。
ホテルのオムレツおばさん(オムレツをその場で作ってくれるおばさん・勝手
に命名)の作るおいしいオムレツを食べる。
今日はLuxi Recordsのプレスコンファレンス(記者会見?)とリリースパーテ
ィーがあり、僕らはプレスコンで数曲、ドラムレス(木下がまだ来ていないた
め)のアコースティックセットで演奏する予定だ。
昼過ぎにLuxi Records 神谷さんの車で、今日の会場である、Pla Dibというジャ
パニーズ・フュージョン料理のレストランへ。そこで、今回コンピに参加した
タイ人ミュージシャンの面々と対面する。
サウンドチェック後、Pla Dibオーナーと神谷さんと僕らの4人で、近所の大衆
食堂で遅い昼食。鳥の丸焼きを中心に、色々なタイ料理を食す。唐辛子の中で
一番辛い「ねずみの糞」という名の唐辛子(なんちゅう名前なのでしょう)も、
知らず知らずに食べる。10分以上、口の中が燃えていた。うまかったけど。
しかし、今回会うタイの人たちは、みんなものすごく親切で感じが良い。街中
を見ていても、みんな車の運転はめちゃくちゃ強引だが、よく見ると誰も腹を
立てている感じはしない。
夕方になり、メディア関係者を中心に、続々と人が集まり始める。驚いたこと
に、Myspaceやラジオを通じて以前からeuphoriaを気に入っていたという人た
ちが、何人も声をかけてきてくれた。FAT Festivalを主催しているFat Radioと
いうFMラジオ局ではeuphoriaの曲を毎日のようにかけてくれていたらしく、
それを聞いて知ったという人。中には、アメリカ留学中に友達から薦められて
知ったという人までいた。その子の友達は、やはりMyspaceでeuphoriaを知っ
たらしい。初めて演奏する場所で、euphoriaを知っている人たちが沢山いるの
が、とても嬉しいし、心強く感じた。
5、6台のテレビカメラや、雑誌などのメディアが並ぶ中、プレスコンファレ
ンスが始まる。神谷さんとSigによる会見の後、タイの人気アーティストYokee
Playboyが歌い、その後に僕らは2曲、アコースティックセットで演奏した。
プレスコンが終了し、コンピのリリースパーティーへ移行。他のアーティストた
ちの演奏を楽しみながら、彼らやその場に来ていた人たちと色々な話をした。
2006年11月07日
タイ滞在日記 1日目
euphoriaとして初めての海外遠征で、タイ・バンコクへ。
タイ最大のロックフェスティバルであるFAT Festival出演と、euphoriaが参加
したコンピレーションCD"Luxi Magic"の発売記念パーティー出演が、その目的
でした。ここに、11/7〜11/12までのタイ滞在日記を掲載します。
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朝6時、家を出発。ベースや機材を担いで成田へ。
空港で森川と合流。木下と事務所の浅田さんは仕事の関係で9日夜にタイ入り
するため、この旅は、森川と2人で始まった。
実は今回のフライト、フェス主催者側が事前に用意していたはずの航空券が、
出発前日になってやっと発券されるという問題ありげな雰囲気で始まったため、
色々とアクシデントが起こりそうな予感はしていた。そして早速、搭乗手続き
をしようとすると、「この航空券はVOID(無効)になっておりますが……」
とのこと。ありゃりゃ。ということで、タイ航空国内オフィスの開く9時まで
30分以上待機することに。さらに、預け荷物(スーツケース・物販用CD段ボ
ール2箱分・ハードケースに入れたギター類)の重量オーバーで、3万8000円
の超過料金になりますと言われ、それはないでしょうということで、ねばりに
ねばってギター類を機内持ち込みにする。数十分後、航空券は無事に再発券さ
れ、お詫びということでビジネスクラスのラウンジチケットを受け取る。
というわけで、さんざん待たされた後、ギターを抱えて向かった先は、ビジネ
スクラスのラウンジ。バックパックとギターを抱えた僕らがそこにいるという
場違いな雰囲気を楽しみつつ、しばし休息。飛行機の搭乗は、ギターがあるか
らという理由で、一番最初。ギター類は無事、頭上の荷物だなに収まり、僕ら
を乗せたタイ航空機は、ようやく離陸したのでした。
約7時間のフライトを終え、入国。預け荷物を受け取り、人の流れに紛れてす
るりと税関を素通り……するはずが、呼び止められる。キャリーカートの上に、
物販用CDを入れた段ボール2箱が鎮座していたのが、明らかに怪しかったので
しょう。そしてここから、2時間ぐらい税関職員と押し問答。サンプルだから
非売品だと言い張ったものの(まあ実際はフェスで売るんだけど)、日本国内
での販売用の値札が貼られたままだったため、問答無用でその値段に対する税
金を計算し始める職員。でも、実際こっちで売る値段はもっと安くするんです
よ、タイの物価に合わせて……。しかしそれを証明する手だてはなく、結局ディ
スカウント(ディスカウントというアバウトさがタイらしい)して、税金を払
った。
ようやく空港を出られたのは、予定到着時間を3時間近く過ぎた頃。外でずっと
待っていてくれた出迎えのタイ人スタッフに謝って、彼らの車でバンコク市内
に向かう。オーガニック・タイフードのレストランでLuxi Reocrds(euphoria
が参加したコンピをリリースしているタイのレーベル)関係者の方たちに歓迎
していただき、なんともラグジュアリーな雰囲気の中、オーガニックなタイ料
理をご馳走になる。このコンピには、日本とタイの各4アーティストが参加し
ており(日本人は他にキセル、Chocolat & Akito、Cafa)、全体を通してとて
もクオリティーの高い作品になっている。euphoriaは"silent roar"と"shining"
を収録したのだが、プロデューサーの考えでなんと"silent roar"がコンピの1
曲目、"shining"が最後の曲になっていた。レーベルのタイ人女性は、"silent
roar"のイントロのギターを口ずさみながら、この曲は本当に素晴らしいと話し
てくれた。とても嬉しいひととき。
その後ホテルへ移動してチェックインし、シャワーを浴びた後、ロビーに戻り、
Luxi Reocrdsの中でも今回特にお世話になる神谷さんとSigに、カオサンを案
内してもらう。Sigはアメリカに4年間留学していた経験があるため、英語が問
題なく通じて、一安心。感動的に世話好きで親切な彼は、今回の滞在中、どこ
へ行くにも愛車の黒いベンツで僕らを連れていってくれた。そう、こんなに楽
な思いをしていていいのかしらと思いつつも。
深夜にホテルに戻り、持ってきたMacでeuphoriaのメルマガ発行作業をしてか
ら、就寝。さすがに、ぐっすりと眠る。