Your Light Shadow

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photo: Olafur Eliasson "Beauty"


デンマーク生まれ、アイスランド人の現代美術作家、オラファー・エリアソン。
(実際により近い発音はオーラブル・エリアソンとのこと)

原美術館でやっている、日本初という彼の個展を見てきました。

エリアソンは、光、水、風、温度といった自然現象を、人々が体験できるような
インスタレーションとして展開する作家とのこと。

雑誌やポスターなどを見て、良さそうだと期待していったのですが、
実際にその空間に足を踏み入れると、そんな予想を軽く上回る、息を呑むような感動がありました。

たとえば、天井からつるされた、表面が鏡になっている輪。
モーターによってゆっくりと回転するその輪にスポットライトが当たる、一見シンプルな装置。

しかし、その装置によって反射した光が白い壁と天井にゆっくりと描き出す光と影、
そしてその変化は、どんな映像よりも美しいと思えるようなものだったのです。
ミニマルでありながらいつまで見ていても飽きないその作品の名は、"Your Space Embracer (空間を包み込むもの)"。

あるいは、真っ暗な部屋の天井から霧状になって散布される水。
そこにライトが当たり、現れた虹が微妙な空気の流れによって揺らぐ作品、"Beauty"。

壁一面がオレンジ色の面光源で、すべてのものがセピア色をした単色の世界になる部屋。
部屋の入り口にはファンが取り付けられて風が流れる、"Room for One Colour and Windy Corner"……

とにかく、彼の作品の数々はどれもコンセプトがシンプル。
でも、そのシンプルさゆえに際だつ美しさには、尋常ではない力強さがありました。

ライトやモーターなど、人工的な装置から生み出される、美しい自然現象。
それを体験するということによって、すべての出来事は自然の中での出来事という、
当たり前で忘れがちな事実を、知らず知らず考えている自分がいたり。

どの作品も本当に素晴らしいのですが、個人的には特に、
空間全体に光と影が描き出されるような"Embracer"シリーズに目を奪われました。

ここで織りなされる光と影の動きに音を乗せたらどんなだろう、などと思ってみたり。

作品の意味が分からないと面白くない現代美術は多いですが、
彼の作品は、コンセプチュアルでありながらも、まずはとにかく、衝撃を受けるほど美しいです。

ここ最近行った展覧会で、一番良かったかもしれません。
……というわけで、思わずオススメしたくなってしまったので、
東京近郊にお住まいで、もし少しでも興味を持たれたら、ぜひ見に行ってみてください。

そこに行って"体験"する光には、作品を写した写真などからは得られない感動があったので。
品川の原美術館にて、3/5までの開催のようです。

>>>Olafur Eliassonウェブサイト

2年ぶりの再会

本日はO-EASTにて、Album Leafのライブへ。
2年ぶりの来日、一昨年リリースの"In a Safe Place"が出てからは初になる日本でのライブ。

いやあ、本当に素晴らしい音風景を織りなしていました。
壮大なスケール感がありつつ、ものすごく身近で、すーっと染みこんでくる旋律たち。

ライブ終了後、ロビーでJimmyを発見し、思わず声をかける。
と、すぐに気がついて、笑顔で久しぶり!と言ってくれました。

2年前の来日で共演したことを、ちゃんと覚えていてくれたことがとても嬉しかったです。

前回、彼に渡した僕らのCDは"silent roar"。
今回は去年リリースした"eternal gift"を渡して、時間のある時ぜひ聴いてくださいねと言うと、
"Sure, I know your music is very very good." と言ってくれて。

ツアードラマーのTimを始め、他のメンバーも驚くほどよく覚えてくれていて、
打ち上げでポップコーンを投げあったことなんかを話しながら、しばし談笑。

まるで去年のことみたいだ、時が過ぎるのは速いなあなんて言いながら。
でも2年近くの時間を経て、またこうして再会できたことが、本当に素敵なことだと思いました。

Album Leafの新作は、Jimmyによると夏には出るらしく、
シアトル郊外の山の近くにあるスタジオで録音したそうで、すごくいい場所なんだよと言っていました。

ミックス、マスタリングは、今回もアイスランドのSigur Rosのスタジオでするそうです。

とにかく彼の音楽は自然がよく似合う。
でも、どこで鳴っていても沁みる音楽だと思います。

2年ぶりの再会をして、なんだか、またやる気が出てきました。

Icelandic Atmosphere

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なんだかんだで作品としてまとめずにいたアイスランドでの写真を、
今、旅行記的な短めの写真集(A4変形判、全32ページ)にまとめています。

全体のイメージを設定して、まずは500枚の写真から50枚を選抜。
それをカードサイズ大でプリントアウトして、手で並び替えながらページ構成を練る。
この方法だと、全ページの流れを俯瞰するように作業できます。

前に、本のデザインは音楽をつくるのと似ている、と聞きました。
全体を通してのリズムと旋律の流れ、そしてその変化を作曲するように構成するのだと。

今回の制作で、その意識の重要さを実感。

50枚の写真からさらに必要枚数に絞り、文字を組みます。
写真を生かす文字の置き方を検討しながら作業。
写真と文字が調和して、気持ちいい空間が生まれる位置を探りつつ。

……というわけで、ここのところそんな作業を続けていました。
そして今日、製本してみたらなかなかいい感じの仕上がりです。

"Icelandic Atmosphere"というタイトルにしました。

今度は、この間の福島合宿で撮ってきた雪面の写真も、本にしてみようかと思っています。