2004年11月28日
Johann Johannsson
Johann Johannsson(ヨハン・ヨハンソン)の新作がリリースされたらしい。
彼の作品とは、この夏、アイスランドの12 Tonarというレコード店で出会いました。
12 Tonarは、アイスランドの首都、レイキャヴィックにある素敵な雰囲気のレコード店。
こじんまりした店内に、素晴らしくツボを押さえたCDたちが並んでいます。
アイスランド人アーティストの作品については、おそらく世界一の品揃え。
Bjork、Sigur Rosやmumとクラシックが同じスペースに置かれているのが、なんだか素敵でした。
Johann Johannssonもまた、アイスランドのアーティストです。
彼が手がけた"Dis"という映画のサウンドトラックは、
このお店が運営するレーベルからリリースされたものでした。
ところでこの作品、神懸かり的な力を持っていたのです。
天候の変わりやすいアイスランドでは、突然雨が降り出すことも少なくありません。
車の運転中、何回ワイパーのスイッチをオン・オフしたことか。
ところが。
Johann Johannssonの"Dis"をかけると、必ず雨がやむのです。
1曲目が始まると雨が弱まり、2曲目の間に完全にやむ、という決まった流れ。
それも、毎回、かならず。
あれはなんだったんでしょう。
試しに日本に帰ってきてからも雨降る高速でかけてみましたが、結果は、やまず……。
それはさておき、この作品を聴くと、晴れているアイスランドを思い出します。
世界一景色の美しい国道といわれる国道1号線。
見渡す限りに広がった夏草以外、何もない平原。
まるで天国のような景色に、なだらかに空まで続く坂道。
その景色と、確かに共鳴する音楽でした。
においによって記憶が鮮明に思い起こされる現象をプルースト効果と呼ぶようですが、
音楽にもそれに似た力がありますよね。
Johann Johannssonの"Dis"は、僕にとって、プルースト効果を持った作品の一つです。