今を積み重ねて

午前中から夕方まで、スタジオに入って曲作り。
その後、森川宅へ移動、レコーディングに備えてベースの音作り。

といった感じで、朝から晩までeuphoriaの一日でした。

新しいアルバムについては、3人、今まで以上に確かなイメージを持っているように思います。
表現したいことについても、音についても。

完成までの道はまだ続いていますが、思い描くイメージをしっかりと携えて、
まずは、今を積み重ねるように、いい準備をしてレコーディングに臨みたいと思っています。

WORKSページ

久々に、WORKSページを更新しました。
今年撮った写真の中からいくつかを、4つのテーマにわけて掲載しています。

"Summer in Yatsugatake"の写真は夏に撮ったもの。
8月にeuphoriaの合宿をしたのも、八ヶ岳でした。

"Autumn Sun"の写真は、自宅近所でつい先日、11/27に撮ったものがほとんどです。
その日のvoiceを読んでいただくとわかりますが、川沿いでシャイな犬に出会った日です(笑)。

"Just in Everyday Life"も同じ日に撮ったものです。
その日は、普段見るものも秋の光を受けて輝いているようでした。

"Nightseeing"は、色々な場所で撮ったものを集めています。
10/4のvoiceで書いている、傘と自動販売機の写真も載せました。

といった感じで、よろしかったらぜひ見てみてください。
アイスランドで撮った写真も、また今度発表したいと思っています。

Johann Johannsson

Johann Johannsson(ヨハン・ヨハンソン)の新作がリリースされたらしい。
彼の作品とは、この夏、アイスランドの12 Tonarというレコード店で出会いました。

12 Tonarは、アイスランドの首都、レイキャヴィックにある素敵な雰囲気のレコード店。
こじんまりした店内に、素晴らしくツボを押さえたCDたちが並んでいます。

アイスランド人アーティストの作品については、おそらく世界一の品揃え。
Bjork、Sigur Rosやmumとクラシックが同じスペースに置かれているのが、なんだか素敵でした。

Johann Johannssonもまた、アイスランドのアーティストです。

彼が手がけた"Dis"という映画のサウンドトラックは、
このお店が運営するレーベルからリリースされたものでした。

ところでこの作品、神懸かり的な力を持っていたのです。

天候の変わりやすいアイスランドでは、突然雨が降り出すことも少なくありません。
車の運転中、何回ワイパーのスイッチをオン・オフしたことか。

ところが。
Johann Johannssonの"Dis"をかけると、必ず雨がやむのです。

1曲目が始まると雨が弱まり、2曲目の間に完全にやむ、という決まった流れ。
それも、毎回、かならず。

あれはなんだったんでしょう。
試しに日本に帰ってきてからも雨降る高速でかけてみましたが、結果は、やまず……。

それはさておき、この作品を聴くと、晴れているアイスランドを思い出します。

世界一景色の美しい国道といわれる国道1号線。
見渡す限りに広がった夏草以外、何もない平原。
まるで天国のような景色に、なだらかに空まで続く坂道。

その景色と、確かに共鳴する音楽でした。

においによって記憶が鮮明に思い起こされる現象をプルースト効果と呼ぶようですが、
音楽にもそれに似た力がありますよね。

Johann Johannssonの"Dis"は、僕にとって、プルースト効果を持った作品の一つです。

シャイな犬

カメラ片手に近所を散歩。
雲ひとつない空から、晩秋の日差しがやさしく降りそそぐ。

川沿いの遊歩道で、つながれた柴犬を発見。
さて近寄っていくと、彼もこちらに興味がある様子。

よし、秋の光を受ける柴犬君のポートレート撮影、と思いきや、
カメラを向けた瞬間、視線をそらされる……。

仕方なくカメラを下ろすと、視線を合わせてくる。
そしてカメラを構えると、またも視線をそらされる。

そんなやりとりを4、5回繰り返したが、結局、僕の方が折れる。
物憂げな柴犬君の横顔を1枚、カメラに収め、その場を立ち去った。

でもかえって、飼い主との再会を待つけなげな姿の写真になりました。
と、言えなくもないような気もする。

あれはもしかしてポーズを取っていたのだろうか?
そんな疑問が、ふと頭をよぎったのでした。

With Age

ボストンの3ピースバンド、karateのライブを観てきました。

ジャジーかつダイナミックなドラミング、歌うベースライン、ブルースの香り漂う枯れたギター。
熱さを内に秘めつつ、渋みのある歌。いやあ、かっこよかったです。

なんだか、素敵な歳の重ね方だなあと。
渋いだけじゃなくて、熱さを忘れていないところが最高でした。

日常の瞬間

今、隣のお宅が工事中です。

朝、玄関の扉を開けると、陽光を受けた工事現場の防塵幕が、
影絵のようにきれいなパイプのシルエットを映し出していました。

それはその時間にしか出会えなかった、日常の瞬間でした。

couches in alleys

tristezaの"Dream Signals in Full Circles"を聴きながら街を歩いていたら、
街路樹の枯れ葉がひらひら、音楽に合わせるようにゆっくりと舞い落ちて、秋を実感。

そうそう、styrofoamの新譜に入っている、"couches in alleys"という曲がとても良いです。
半分以上がコラボレーションで作られた今回のアルバム中、
この曲ではaliasがビートプログラミングを行い、
Death Cab For CutieのBen Gibbardが歌とギターを担当しています。

反復するたび、徐々に染み渡っていくようなメロディ。
Ben Gibbardの歌声は、どこにいても、やわらかい存在感があります。

そして、アルバム最後の曲"make it mine"の9分間。
曲のビートに合わせて、秋が一段と深まっていくようです。

その場所で生まれるもの

母校、自由学園の美術工芸展へ。

舗装されていない砂利の道を、懐かしい木立の間を歩きながら、
各会場に展示された、幼稚園から大学生までの美術作品を見てまわりました。

その場所で生まれた作品達が、その場所で、自分たちの手によって展示された美術展。
学園の自然と響き合いながら、作品と作者がつくり出す空間。

連日徹夜で制作していたという木下の作品、とても良かったです。
絵本には、彼の人柄がにじみ出ているようでした。

初めて客観的な目で見た美術展。素晴らしかった。
そしてまた、自由学園が自分のクリエイティビティの源となっているであろうことを、
嬉しく思いました。

Freischwimmer

tillmanns.jpg
ヴォルフガング・ティルマンス写真展を見に行った。

被写体の多くは、身のまわりにある、もの、人、風景。
それなのに、この人の写真には、独特な吸引力がある。

彼自身がインスタレーションを行った空間も、印象的な写真展だった。

「限られた貴重な瞬間にだけ、人や町の景色がその美しさを自分に開く」
ティルマンスはそう言っている。

そのフレーミングで、そのタイミングで切り取ることで初めて作品となった"貴重な瞬間"。
その瞬間を逃したら二度と訪れないような、崩れかける直前のバランスが生む美しさ。

日常の中に確かにある"貴重な瞬間"。
そこにまなざしを向け続ける彼の姿勢に、感銘を受けました。

Wolfgang Tillmans "Freischwimmer"


photo by Wolfgang Tillmans

枯れ葉を踏みしめる音

雲一つない秋晴れ。
日に日に色づく木の葉は、日差しを透過させて暖色系の光を優しく投げかけているかのようです。

落ち葉の絨毯を歩きながら、紅葉のトンネルをくぐり抜けていく。
秋という季節を実感する瞬間。

小学〜高校までは、学校でよく落ち葉掃きをしていたので、
くまでや竹ぼうきで枯れ葉を集める音や感触が、少し懐かしくなりました。

遅くなりましたが、1日のライブを観に来てくださったみなさん、
どうもありがとうございました。

19日のライブでは、さらにいい音を鳴らせるように、がんばります。