逆光の中の景色

ひさしぶりに、3年前の春まで通っていた学校を訪れた。
12年間通っていたその学校は、自然に溢れた庭がある。

当時は見慣れてしまって、ほとんど無意識に眺めていた景色。
今日、その景色は、驚くほどにきれいだった。

傾きかけた陽の光があたる、砂利道と、木立と、木造校舎。

毎日ここにいた頃は、この景色がそれほどきれいなことに、気づいていなかったと思う。

近すぎて気づかないこと。
きっと、それは、今もたくさんあるんだろう。

白と紫のモクレン

庭に咲いていた白いモクレンの花は、風でそのほとんどが散ってしまった。

白い花のモクレンの隣には、紫色の花をつけるモクレンがある。
いつも、白い花の方が先に咲いて、それが散った頃に紫色の花が咲き始める。

毎年、必ずその順番で。
きっと、今年も。

モクレンの開花リレーは、庭で、春の訪れを告げる。

三月の雪

晴れた空に雪が舞う、昼下がりの吉祥寺。

楽器と機材を乗せたキャリーカーを、ごろごろと転がす。
このキャリーカー、試しに体重計に乗せたら、12kgだった。

数字で知ってしまうと重たく感じる不思議。
中学、高校時代に学校の登山で背負っていたバックパックもそうだったけれど。

駅前の通りでは、道行く人の傘に食いつこうとする、
留守番中のゴールデンレトリバーを発見。

じゃれているのか、お腹が減っているのか。
もし、傘が食べ物に見えているとしたら、きっと面白い世界にちがいない。