おじいさんの視線の先

夕方のバス。

前の席に座っていたおじいさんが突然、「おぉ、すごい」と声をあげた。
おじいさんの視線は、窓の外に向けられている。

そこには、空高くいっぱいに広がった夕焼け雲が。
空中で混じり合う、空色と茜色。

いつになっても小さなことに感動できる年の取り方って素晴らしいと、そう思った。