違って見えた景色

軽く怪我した右足を少しだけ引きずって、一人、渋谷まで。

たどり着いたのは、満員に近いライブハウスだった。

54-71、圧巻。
あの、研ぎ澄まされた刃のような鋭さに、新たな色が加わった感覚。
それも、他で見たこともない色が。

THE MERCURY PROGRAM、詠嘆。
変幻自在のダイナミクスを生むリズムと、優しく、そして美しく重なりあう響き。
あれほどイマジネーションを刺激するリズムは、ひょっとしたら初体験かもしれない。

予想と期待を、遙かにしのぐ内容。

少しだけ足を引きずりながら、帰り道では、
渋谷の街の派手すぎるネオンサインさえ、不思議なほどに心地よかった。