実際のところはグラデーション

僕がまだ小さかった頃。

天気予報は、東京は曇り、埼玉は雨。
その境目を知りたかった。
自転車で走っていて、その境目で、
ぱっと雨が降り出す。
その境目に行けば、
身体半分は曇りで、もう半分は雨に濡れる。

天気のよい日に、ともだちと電話していて、
こっちは雨だよ、と聞いて、
そのともだちの街と想像している部分にだけ、
きっちりと雨が降っているイメージ。

雨と晴れがきっぱりと分かれているような景色があると思っていた。

でも、実際のところはグラデーション。

車のなかからの景色が、
田んぼから砂漠になることはありえない。
砂漠になる前のところに、次の兆しが存在する。

雨になりそうなときには、なにかしらの前兆がある。
晴れてくるときもそう。

その兆しに敏感でいたい。

好調なときと不調なとき。

今日をよく見ていると、明日が見える。
必ずそれは、今日の続きにある。