夢の中のままで現実の朝がやってきた

レコーディング2日目の朝、スタジオに向かう途中、
「北海道の遭難事故、大変だね」と、しょうたが話しかけてきて、
そのことを僕は、全く知らず、そんなニュースがあったんだ、と驚く。

朝9時の集合から、夜25時過ぎまでスタジオで時間を過ごし、
家に着くと、本当にへとへとで、歯磨きへ直行、
そのまま就寝、という毎日でした。

布団に入ると、数秒で深い眠りにつく。
夢もまったく見ることなく、朝がきて、
急いでシャワーを浴びて、家を出る。
その繰り返し。

レコーディング3日目を終えると、
玄関には、朝刊と夕刊が山積みになっていた。

*

ここ数ヶ月の間、3人の頭の中の大部分を占めていたであろう、
今回レコーディングした、5曲の新曲たち。
本当にレコーディングできるのだろうか、と不安を抱えながらも、
その気持ち乗り越えるように、日々練習をしてきました。

そして、3日目の夜、無事に充実した録音を終えて、
なんとも満たされた、最高の気持ちになった僕は、
その日、久々に夢を見た。

*

僕は中学3年生。
でも、今までに培ってきた、多くの人との出会い、学び、
いろんな本を読んできた記憶、聴いてきた音楽、
健全な身体の大切さなどについては、
すでに身にしみて感じている。
その上で、これからはじまる高校生活では、
徹底的にサッカーに打ち込んでいこうと決心している。
お正月の高校サッカー選手権出場への憧れ。
(実際、小中高とご飯を忘れるほどのサッカー少年だったのです)

こうして文章にしてみると、
なかなか、この夢の中での感覚を
うまく説明できず、もどかしいのですが、
なんだか、ものすごく、
前向きな気持ちを持った夢のなかだったのです。
そして、不思議なことに、目が覚めても、
そのぽかぽかとした前向きな気持ちは続いていたのです。

うれしい夢で、目が覚めて、なーんだ、とがっかりしたり、
嫌な夢で、目が覚めて、よかったー、とほっとしたり、
そんなことはよくあるけれど、
その夢の中での前向きな感覚のまま、
現実の朝をむかえたのは、貴重な体験でした。


そんな感覚になるほど、レコーディング3daysを終えて、
本当に、ほっと安心した気持ちになっていたのでしょう。