視点を車窓に向けてみよう

電車の車窓からは、まるで大きな大陸のような雲を
オレンジ色の夕焼けが、やわらかく照らしている。
そんな壮大な景色を知らず、
ほとんどの人は携帯電話とにらめっこ。

もちろん、今、このとき、
たまたま、僕は、車窓に視線を移していただけで、
僕も同じように、携帯メールをしているときに、
車窓には、きれいな虹が浮かんでいることもあっただろう。

音楽をつくるとき、または、
音楽以外にも、なにかを考えて、
形にしようと懸命になっているとき、
そのなかの一部分ばかりに意識を向けてしまい、
帰り道の電車で気づいた、この、車窓の存在を忘れるという、
同じような現象になっていることも多いのではないかな。

ほんの少し、視点を動かすだけで、
大きなヒントがあるのに、
目先の部分だけで、こねくりまわして、
こじんまりとした作品になってしまうことのないように。

視点を車窓に向けてみよう。