走りたいから走る

ここ数日、いまひとつ頭が冴えない。
先日、巨大なゴキブリに遭遇したショックからなのでしょうか、
いや、もちろん、そんなことではないのですが、
創作意欲や、新しい発想が湧いてこないのです。

こういうときに、どうして創作意欲が湧かないのかと、
探っていくことは、最もよろしくないことで、
そんなときには、長距離のランニングに出かけます。
前までの自分だったら、調子の悪いとき、
その原因を細かく探り続け、
さらに深みにはまっていくことが多々ありました。
でも、そんな原因が簡単に分かるのであれば、
そもそも不調にはならないわけで、
そんなときは、今の状態を
あるがままに受け入れようとこころがけています。

そう、そんなときに、ランニング。
これも、不調から抜け出すために、
なんて思いながら走ってはいけません。
ただ、走りたいから走る、
そして、ゆっくり通り過ぎる景色を楽しむ。
そんな心地よさから、あわよくば、
新しい発想が生まれることもありますが、
それが目的ではないのです。

「人間はほんとうに重要なことについては、
 ほとんど必ず原因と結果を取り違える」

という一節が、今朝、読んでいた本にありました。

たとえば、人とのコミュニケーションにおいて。
僕たちに深い達成感をもたらす対話というのは、
「言いたいこと」や「聴きたいこと」が先にあって、
それがことばになって二人の間を行き来するのではなくて、
ことばが行き交った後になって、
はじめて「言いたいこと」や「聴きたいこと」
を二人が知った、そんな経験。

たしかに、すでに「それ」が分かっているのであれば、
これから起こす行動に、大きな魅力は生まれません。
そんな観点から、「いま」を大切に生きるということを考えています。

*

こうやって、長々とvoiceを書くことが出来たということは、
だんだんと調子が上向きになってきたのかもと、
心地よいランニングを終えて、気づいたのでした。