2008年01月08日 [ everyday books ]
水を味わうように
透明のコップに注いだ、
冬の水はとてもおいしいです。
*
こないだ、
利き水の専門家についてのお話を本で読んだのですが、
その能力にとてもびっくりしました。
僕のイメージとしては、
水道水かミネラルウォーターの違いくらいは当たり前で、
きっと、どこでとれたミネラルウォーターなのかも、
分かったりするのだろうな、と思っていました。
ところがところが、そんなレベルではなくて、
同じ水道水でも、どこの浄水場の水なのかまでが分かるそうで。
水道は安定給水のために縦横に管が走っていて、
一系統の水ばかりではなく、ブレンドされている地域もあり、
たとえばこれは朝霞浄水場の水、金町浄水場の水、
今日は朝霞の水の割合が多いな、
ということまで分かってしまうとのこと。
ここまでくると、もう曲芸の世界の域ですね。
ただただ驚くばかりなのですが、
でも、それと同時に、
水を飲むとき、触れるとき、
水は水でしかないと思い込んでいる自分も、
ちょっと鈍感すぎるのかな、なんて思ってしまいました。
固定観念を振り払って純粋に水を飲むことができたら、
利き水の専門家には到底及ばなくても、
なんとなくの味や匂いのちがい程度は感じられるのかもしれない。
「水」ということばでまとめてしまおうとするのではなくて、
それ自体と純粋に接するということ。
そんな感覚を日常のさまざまな場面で大切にできたら、
きっと、彩り豊かな毎日になるのではないかな。
透明のコップに注いだ、冬の水を味わいながら、
そんなことを思いました。